ブックタイトル甲府工業高等学校同窓会誌2015

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概要

甲府工業高等学校同窓会誌2015

 若葉の緑が目にも鮮やかな春たけなわのこの折、恒例の山梨県立甲府工業高等学校同窓会の平成27年度定例総会並びに懇親会が当番幹事諸君のたぎる友情と、変わることない母校愛によって、このように盛大に開催できることは欣快の至りであり、幹事諸君の奮闘努力に深甚なる謝意を申し上げる次第であります。 さて、当校の校訓は「質実剛健」であること、また信条は「技術者となる前に人間となれ」であることはどなたもご存知でありましょう。この校訓・信条について私の思うところを書いてみたいと思う。 そもそも校訓とは我が甲府工業高等学校の生徒の訓育上の理念・目標を成文化したものであります。「質実」とは中身が充実していて飾り気なく誠実なことを言い、「剛健」は心身共に強く逞しく健やかなことであります。即ち『皮相にとらわれることなく本質を大事にして強くたくましい精神を持つこと』を言うことだと思います。この校訓のもと、高い志を追求しその実現に向けて前向きに努力する学力と人間性を兼ね備えた心身共に逞しい生徒を育成して、地域社会に信頼される魅力ある学校を目指すという意図のもとにこの校訓が制定されたに違いない。(校訓制定年不詳) 昭和26年5月から昭和37年4月までの11年の長きにわたって第7代校長を務められた古屋一雄校長先生(昭和37年4月より山梨県教育長として転出されているので校長先生としての謦咳に接しているのは同じ年の3月卒業の私たちが最後に当たる)はすでに戦後の復興の時代を過ぎて、初期の高度経済成長の微風を感ぜられて、将来に捗っての技術者の重用の時代の到来を疑わず、工業生の信条として「技術者となる前に人間となれ」と全校集会等のことあるごとに宣まわれていたことをよく覚えている。このことは先に記したことと少し重複はするが、『確かな技術に加え、豊かな人間性を身につけた人格でなければならない』と言っていることである。人格とは高いモラルを持っていること、モラルとは、善悪の判断が正しくできることのみならず自分を律し、社会や国家という公への奉仕の精神を持ち、なお真善美の理想を追求する精神を持っていることを指す。 結びに、中堅技術者の育成を受け持つ我が甲府工業高等学校が、先のような崇高な思想を持つ校訓並びに信条を掲げていることは、卒業と同時に過半(概ね58%)の生徒が実社会に巣立って行くことからして、真に理にかなっていることであると言える。その上、昨今イノべ-ション【技術革新】の時代の到来に、個々人においてなお一層の研鑽と努力を続けて行かねばならない。(信条提唱年不詳)甲府工業高校の  校訓・信条について同窓会会長中 村 邦 弘(C36)002 甲府工業高等学校 同窓会総会2 0 1 5