ブックタイトル甲府工業高等学校同窓会誌2015

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概要

甲府工業高等学校同窓会誌2015

感謝で綴る思い出一片東京同窓会会長 小 林  務( E33) 平成27年度本部同窓会総会開催心よりお祝い申し上げます。開催に当たりご尽力戴きました当番幹事、役員貴重な賛助とご支援を戴いた皆様に厚くお礼申しあげます。 さて、総会誌投稿の機会を戴き私の入学当時の思い出一片を綴ります。戦後日本の社会経済状況にも一縷の光明が見え始めたが一方で敗戦の傷跡も残る昭和31年春、経済的に無理して進学させてくれた両親やご支援頂いた中学校恩師の期待も背負って満開の桜の元母校入学式に臨む事が出来ました。当日は花冷えか緊張の為か古屋一雄校長先生の訓示と祝いの言葉に「質実剛健」と信条「技術者となる前に人間となれ」。緊張して拝聴するも意味は充分理解出来ず身震いしながら聴いた事を今もはっきりと覚えています。我がクラス担任の小澤吉蔵先生の教訓は常に「出処進退」を明らかに、事有る毎に説教された事が人生の指標として大きく影響を与えてくれた事は今更ながら感謝の至りです。時を同じくして生涯忘れる事の出来ない事柄に入学式終了後、父親と帰る道すがら校門前で上級生に呼び止められ言葉巧みに勧誘、半ば強引に入部させられたラグビー部の先輩達と運命の出会い。全く知識の無いラグビーと言われたスポーツ。自分は子供の頃から勉強と本を読む事は好きだったが運動は大嫌い。暗くて引っ込み思案の自分が何故部活にラグビー部を選択したのか我が人生の不思議の一つである。入部の翌日からの猛練習と先輩の扱きが始まった。厳しい特訓と扱きに耐えきれずに退部して行く同僚を泣き泣き見送った、始めての夏休み武道場での寝食1週間の合宿練習は人生最も厳しい1週間であったと思う。新人は上級生よりも早起き朝飯の支度と片付け。午前中の練習参加早めに上がり昼食の準備、午後の練習は猛暑との戦い、夕食の食糧買い出し。毎回20人以上の食糧買い出しと慣れない飯炊き、惣菜の調理大きな釜で一度に大量の米を薪を焚いての飯炊きは旨く炊けずに先輩達に怒鳴られました。夕食後片付け、大量の練習衣の洗濯を終えて風呂(塩部温泉)に行くのが唯一の楽しみ。爆睡する上級生に気使い横になるのは11時過ぎ。6時前に起床ラジオ体操と朝のランニング、辛くて厳しい1日が始まる。当時は何処の部活も新人の行動はこの様な状況でした。生涯忘れる事の出来ないラグビー部新人時代の我が思い出の一片です。当時は恨み辛みさえ感じた先輩達にも今は感謝する気持ちで一杯です。人生で我慢する事、耐える事の大切さを充分経験させて戴きました。この体験が人生を一回りも二回りも大きくしてくれた事は信じて疑い無し。ありがとうございました。 紙面の都合によりこの後の部活の成績状況思い出は次の機会に綴らせて戴きます。最後に母校と同総会の発展と会員諸兄のご健勝を祈念致します。022 甲府工業高等学校 同窓会総会 2 0 1 5