ブックタイトル甲府工業高等学校同窓会誌2013

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概要

甲府工業高等学校同窓会誌2013

e .0三角屋根校舎に想いを寄越て土木科担任清水は「三十而立J三十にして立つなる孔子の論語で、卒業後30年経ったところで母校同窓会を仕切ってもらうという、先輩が後輩に対する思いやりと励ましの意味を持つ甲工同窓の伝統的友情、即ち塩部の里の誇り、誉れ、光りの鮮からきているものであると思われます。ところで、昭和36年以降の同窓生には今昔の話としてしか知る由もないことですが、旧校舎の木造2階建て本館の正面が三角屋根で、その部分だけが3階で一教室のみ存在し屋根裏教室でしたO そこには甲工健児の、良しにつけ悪しきにつけての逸話が一杯詰めこまれ甲府工業高校の象徴として塩部の里に君臨していましたO 今はその姿はなく全国の高校々舎には類を見ないほどの近代的な校舎に変貌していますが、三角屋根の名残りを残すものが存在しているのを御存知でしょうか、それは実習棟の区分屋根にあります。これは意図的に設計されたものと聞いていますが、ここにも甲府工業高校の歴史の重みを感じることができるわけであります。いずれにしても、甲府工業高校の名声が全国にいきわたっている現実は、同窓諸兄はもとよりのこと在校生、教職員を含め全ての関係者の、甲工に寄せる情熱と努力、何よりも「質実剛健」の校訓と「技術者となる前に人間となれ」の信条こそが創り上げているものと思われます。昭和59年3月1日、甲府工業高等学校卒業式当日、土木科最後のH.Rで涙を流し合った日より30年、年月の過ぐるの早さを痛感しています。ついこの前のことのように思える、H.Rでのやりとり、喜怒哀楽に満ちた賑やかなクラスであったこと、学級対抗では一丸となって怖いもの知らずであったこと等、他の人の見解はいざ知らず私には最高に素晴らしいクラスでありましたO ただ一つの心残りは、クラス全員が欠けることなく卒業を迎えることを約束し合ったのですが、一身上の都合による中退者をー名出してしまったことであります、その彼が今では月一度のクラス無尽会に顔を出していること、それが何よりの救いでもあります。時々その無尽会に招かれて出席しますが、当時の面影を多少残すものをもちながら、皆仲良く賑やかにやっていますO 会話の端々に其れ々の重責を負う立場を得て頑張っている様子を感じ、頼もしさと信頼感で期待が膨らみます。今回の総会は途中(戦中戦後)途切れがあって定かではありませんが、確か七十数回目であると思われますが、いずれにしても甲工同窓会の歴史の重みを感じながらの総会が盛会に行われ、今後益々発展されんこと、当番幹事の皆様がご健勝にてご活躍されんことを衷心より祈念申し上げます。甲府工業高等学校同窓会総会2013